「キミコエ」見届け人は応募者にとっての目標
清水 津田君は第2回キミコエ・オーディションの見届け人を務めることになったけど、このオーディションにどんな印象を持ってます?
津田 合格すればレッスンが受けられたり、新作アニメのメインキャストとしてデビューできたり、声優志望者にとっては「豪華特典付き」といえる大きなチャンス。こうしたオーディションを大々的にやるのは業界にとって良いことですし、志望者にとっても目標が分かりやすくチャレンジしやすいですね。
清水 見届け人としてやってみたいことなんかは?
津田 実は、まだ見届け人としてのポジションをつかめてないんです。前回の見届け人だった三森すずこさんは何をしました?
清水 選考プロセスをチェックして、映像で随時メッセージを贈っていましたよ。見届け人は応募者を見守りながら応援する立場であり、応募者にとっての目標でもありますね。
津田 目標か…けっこう責任重大かも。
清水 あるいは、まだ声優として世に出ていない彼らの演技を見定める「最初の観客」とも言えるかな。応援には「頑張れ」だけでなく叱咤激励も含まれるわけだから、津田君には温かく見守ると同時に、厳しいアドバイスも期待しています。津田君は仕事に厳しい人だから。
津田 清水さんに言われたくないですよ(笑)。
清水 この業界には「スタジオ(アフレコ収録)が長い」と言われるディレクターがいて僕もその一人なんだけど、津田君は先の見えない道を辛抱強く一緒に歩いてくれる数少ない仕事のパートナーとして助けてもらっていて、とても心強い存在ですよ。
津田 そんな…。ちょっと脱線したからアドバイスの話に戻りますが、芝居に関して「正解」はないから、他人が教えられるものではないと思います。だから普段から基本的には後輩に細かくアドバイスしていません。応募者の皆さんにも、いろいろな体験やチャンスを通じて自らつかみ取ってほしいですね。
清水 津田君が作品を演出する時はどうしているの?
津田 最初はキャストの皆さんにお任せして、まずは自由に演じてもらっています。
清水 確かに、津田君が「こうやるんだよ」と演技を見せたところで、その通りにできるわけではない。ましてや経験がない人たちだったら、なおさら。前回のオーディションでも感じたことだけど、基礎としてのスキルは教えられても、その技術を実際にどのタイミングでどう活かすかまでは教えられないからね。
津田 学んだ「公式」と現場での課題をどう結びつけるかは難しいけど、逆に声優の面白味はそこにあるのかも。
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