声優・俳優を目指す男性を募集する「第2回 キミコエ・オーディション」、2018年12月15日(土)に特別公開レッスンを開催!
今回は、応募総数約1,200名の中から選ばれたファイナリスト達が、2019年1月末開催予定の最終審査に向け、オーディションの“見届け人”で俳優・声優として活躍する津田健次郎さん、審査員を務める清水洋史音響監督を迎え、スペシャル座談会を開催いたしました。
声優養成所で基礎を磨いてきた人から、演技経験ゼロの人まで、多彩なメンバーが揃ったファイナリストたち。
まずは自己紹介も兼ねて1人ずつ、「第2回 キミコエ・オーディション」への志望動機やこれまでの審査について振り返りました。
審査員の前でパフォーマンスを行う2次審査では緊張のあまり「自分らしさが出せなかった」「何をアピールしたか覚えていない」という声が多く聞かれ、ほぼ全員が2次審査通過の通知に対し「自分でいいの?」「間違いじゃないの?」と驚いたとか。
それぞれ同じゴールを争うライバルではありながら、演技・歌・ダンスなどのレッスン(3次審査)で切磋琢磨し合う日々を通じて絆を育んできた様子もうかがえました。
続いて、当日の演技レッスンを見学していた津田さんがその感想をコメント。
開口一番「正直言って、あまり面白くありませんでした」という厳しい一言にファイナリストたちの表情が一変。
「演技を成立させるためにキチンとやろうとしすぎるあまり、芝居が大人しくなって胸を打たれませんでした。3次審査の限られたレッスン期間で手探りしている時間なんてありません。若い時というのは“三振かホームラン”しかないわけで、失敗や怒られることを恐れずやりたいようにやり、すべての瞬間にフルスイングで挑んだ方がいいと思いますよ」と叱咤激励を贈りました。
さらに、ファイナリストたちが日々のレッスンで抱える悩みや疑問を募り、声優界の先輩として幅広く活躍する津田さんが回答。
声優養成所に通って3年になる森田力斗の「スクールでは自分のやりたいように芝居をやってきましたが、レッスンでやりたい芝居をやるたびに『違う』と否定され、モヤモヤしてしまいます」という悩みに対し、津田さんは「今の君は、これまでラケットで自由にボールを打っていたところから、野球のバットに持ち替えた状態。野球という定められたルールの中で、今までやってきたラケットの打ち方ができないか模索してはどうですか」と提案。
津田さんの回答を受け継ぐ形で清水監督が「職業として役者を追求するなら、『好きなことしかやらない』ではなく、出される課題を乗り越えていく必要があります。演技に対して細かい点を注意されるのは、君が他人を演じようとしてるからだと思います。その役柄がどんな人物で何を思っているかまで深く考え、そこに自分の人格をはめ込んで、“架空のキャラクター”から脱して“そこに存在する人間”を表現するように考えてみてください」とアドバイスしました。
続いて、ファイナリストの中で最年少の豊島聖人がキャラクター作りについての悩みを告白。「キャラクターの声質を自分なりに考えてもレッスンで注意されるのですが、あまり声を作らない方がいいのですか?」という疑問に対して、津田さんは「キャラクター作りというのは、一種の落とし穴のようなものです。“声を作る”という発想ではなく、キャラクターの肉体やリズムを意識してしゃべるようにすれば、結果的にキャラクターが作り上げられていくはずです」と返答。
その悩みを解決するために演劇本などを読んだか尋ねられた豊島が「読んでいません」と答えると、津田さんは強い口調で「戦場で生き残るために銃のマニュアル本が必要であれば、死ぬ気で探して読みますよね? たとえ本が苦手でも、人生を賭ける気持ちで読むべきです」とアドバイス。
清水監督からも「まずキャラクターというのは、役者が“こういうタイプ”と決めたままに実現するものではなく、役者が表現した行動や心理を通じて見る人が判断するものです。
君たちが直面している悩みのほとんどは先人たちがすでに経験したことで、様々な解決法も財産として残されています。悩んだ時は本を読んで勉強することで手がかりが見つかるはずです。」と向上心を促すメッセージを投げかけました。
ファイナリスト達の悩みに熱心に耳を傾け、一人の役者として真剣に答えていった津田さん。
最後は「これからのオーディションもシビアな局面が待っているでしょうが、今できる最善を尽くすことが大事です。『2018年に何をやったか』と振り返った時に『ずっと芝居に励んでいた』と思えるほど、凝縮した時間を走っていってください」というエールで締めくくりました。
いよいよ最終審査が迫る「第2回 キミコエ・オーディション」。
ファイナリスト12人の中から誰が勝ち上がるのか、その行方にぜひご注目ください。