第2回 キミコエ・オーディションの合格者特典「映像テクノアカデミア(※)での1年間レッスン」を修了した林 幸矢さんと古沢勇人さんに、レッスンを終えた感想や今の想いをインタビュー。
映像テクノアカデミア声優科主任の佐藤宏樹さんにも同席いただき、レッスン時をふり返りながら今後の活動に向けた意気込みを語っていただきました。
(※)映像テクノアカデミア
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|お互いの成長している姿に刺激を受けて
キミコエ:映像テクノアカデミアでの1年間レッスン(「アニメコース ステップ2」)をふり返ってみて、率直な感想を教えてください!
林:僕はこれまで本格的に演技の勉強をしたことがなかったので、オーディション合格後にレッスンを受講することになり期待がふくらむ反面、戸惑いもありました…。
オーディションの時は周りのファイナリストたちについていくのが精いっぱいで感覚的に挑んでいたのですが、合格当時は「自分が本当にグランプリで良かったのかな」という雑念があり、まっさらな気持ちで学ぶことができてなかったように感じていました。
試演会(昨年11月に行われた舞台発表)の時期には環境に慣れてきたのもあり、そこからは実のあるものになったと思います。
古沢:当時通っていた専門学校と映像テクノアカデミアのダブルスクールだったので、精神的にも体力的にもしんどかった記憶もありますが、専門学校では学べないことを映像テクノアカデミアのレッスンで体験できて良かったと思っています。
ただ、これまで外画作品をよく観てきたので、アニメコース受講への不安があったのですが、カリキュラムには外画の吹替もちゃんとあったので嬉しかったです。
講師の方々やクラスメイトと関わることで緊張がほぐれ、すぐにレッスンに打ち込めるようになりました!
キミコエ:どのレッスンが1番心に残っていますか?
また、もっとやってみたかったと感じるレッスンはありましたか?
林:僕は予備知識が全くない状態で入ったので、初めて聞く単語が出てきて戸惑うことが多く、どのレッスンもかなり新鮮に感じていました!
その中でも、実践に近い形でレッスンすることができた“吹替”と“アニメ”の「マイク前レッスン」が一番印象的でしたし、もっとやってみたかったなと思いました。
古沢:自分は「発声」のレッスンが一番印象に残っています。
レッスンを続けることで「のどが疲れなくなった」と感じるようになり、専門学校の卒業公演で演じた際も400人規模の会場でしたが自分の声がよく通り、周りの友達からも褒めてもらえました!
このような経験を経て、演劇がどんどん好きになってきて、「これから舞台にもっと立ってみたい!」と考えるようになりました。
キミコエ:声優科主任の佐藤さんはオーディション時から2人を見てきていますが、合格した2人をレッスンで迎えた時はどんな印象でしたか?
佐藤:ファイナリストだった2人が合格して入ってきた時、林くんは今まで演技を学んだことがなかったこともあり、これからどうなるか未知数だと感じていました。
レースでいうと最初は後方にいたような気がしましたが、レッスンが始まると感覚的につかんで、それを何度か繰り返すうちに、着実に自分のものにしているのを感じました。
古沢くんは声が目立つし良いものがあるなと感じた一方で、不得意とするところもはっきりしていると感じていました。
そのハードルを克服しながら、持っている素材の良さが出るように、僕ら講師がうまく導いていかなければいけないと感じました。
タイプの違う2人だからこそ、同じクラスに入ってお互いの成長する姿に刺激を受けられたのではないかと思います。
|レッスンを受けて得た学びとは
キミコエ:レッスンを受けていくうちに、自分の中でどんな変化がありましたか?
林:発声や演技のレッスンを受けてから、今まで生活の中で声の出し方を意識したことがなかったのが意識するようになりましたし、他にも台本を読んで演じる時に何を考えたらいいのか分からなかったのですが、今はイメージできるようになったことが自分の中で一番の変化だと思っています。
古沢:「見てくれている人がいる」という意識を持つようになりました。
舞台を通して、その作品に自分はどう加わっていけばいいのか、観てくださっているお客さんがどう思うのか、など作品全体のバランスを考えるようになりました。
例えば、今は「自分が目立つところじゃない」とか、自分も目立ちつつ相手も目立たせるバランスのとり方など、他の方の演技を観ていると少しずつですが、理解できたように思います。
佐藤:そのバランスは、「クラス全員が一つの舞台をつくる」という経験を通して身に付いたのだろうと思います。
全体の中にあって初めて自分というものが分かってくると思いますので、私が学んでほしいと思っていたことをちゃんと学んでくれているなと感じました。
|不確かな未来だからこそ、チャレンジすることが重要
キミコエ:新型コロナウイルス感染症への感染予防対策として、修了公演(劇場での舞台発表)がオンライン朗読会に変更になるなどレッスン内容にも様々な影響がありました。
その中で心がけたことや行動したことがあれば教えてください。
古沢:自粛期間中は、みんなで集まって芝居をしたいと思ってもできない状況だったのですが、朗読会に向けたオンラインのレッスンを通して自分自身のモチベーションを高めることができました。
また、自分はよくYouTubeなどの配信コンテンツを観ていたのですが、「ここでこう演技したら観ている人が喜ぶんじゃないかな」などと考えながら時間を過ごしていたので、今後演技にも活かせたらいいなと考えています。
林:修了公演はZoomを使用した朗読会に変更になりましたが、オンラインで演技するのは難しいなと感じました。
やってみると「演技が一辺倒になってしまった」などの反省もありましたが、こういうご時世になってオンラインでしかできないことが生まれたり、新しい形の演技の場が増えたりするのではと思ったので、今後の新たな可能性の最初の一歩に触れているなと感じました。
キミコエ:1年間のレッスンを終えた2人に、佐藤さんからエールをお願いします!
佐藤:言ったところで始まらないのですが、二人には修了公演という大舞台で今まで積み重ねて来たものをドカンと爆発させてからプロの世界に踏み込んでもらいたかったです。
今回はオンラインの朗読発表という新しい形でやりましたが、やはり始めからすべてうまくいくものではないですね。
ただ、ふり返ってみると今まで舞台であったりテレビであったり映画であったり、エンターテインメントが生まれる中で新たなものを作ろうとチャレンジしてきた人たちも、同じような苦労をしてくれたからこそ今の形があるのだと思います。
新しく何かを始める時、「自分は限られた範囲の中で何ができるのか」ということを考えて工夫して実践できるのは楽しいことではないでしょうか。
あとは、さっき演技面で全体のバランスをとる大切さを話しましたが、周りを見すぎて自分を引っ込めたり空気を読みすぎるというのも良くないんですよね。
2人ともやってみたいことが沢山あると思うので、声優という枠にとらわれず、「表現者」として様々なステージで活躍してほしいと思います。
これからの時代はそれぞれの形式に合わせて表現方法を変えていくことが重要になると思いますので、失敗を恐れずに次から次へとチャレンジし続けてほしいと思います。応援しています!
林・古沢:1年間、ありがとうございました!
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■出演情報■
◇林幸矢
・アニメ「啄木鳥探偵處」<芥川龍之介 役>
・11/1「啄木鳥探偵處 感謝祭」出演
◇古沢勇人
・Netflix配信「ゲット・イーブン~タダで済むと思った?」<ローガン 役で吹替出演>