きみの声をとどけたい
— 作品は、なぎさを中心とした等身大の青春映画です。
石川 どのキャラクターにも共感できる要素があるように描きました。全員、映像で描かれない部分にも設定があり、細部のセリフなどにそれが垣間見えるようになっています。なぎさは、7人の中で一番プレーンで、周囲に比べるとちょっと幼い感じがある。でも、その分機動力があるんです。
伊藤 そうですね。なぎさは、涙もろくて多感で感情がストレートすぎるんだけれど、そんななぎさを周りが受け入れている様子が描ければ、なぎさが主人公になれるんじゃないかと考えました。

— 新人声優6人を囲むキャストが豪華です。
伊藤 紫音役の三森さんはアフレコ現場で6人のお姉さんのようなポジションで、その空気感が作品にもプラスになったと思います。梶さんには「大悟はこの物語を裏で回す役回りだから」と説明して演じてもらいました。鈴木さんは将暉のチャラチャラして見えるけれど憎めない感じをうまく出してくださいました。おばあさん役はもう野沢さんしかいないだろうということでお願いしました。※注:野沢さんはキミコエTVにも出演していた。
石川 サブキャラクターは土地の空気をまとっていてほしかったので、それを映像と声が絶妙に表現してくれましたね。

— キャラクター原案が青木俊直さんです。
伊藤 青木さんの作品集を拝見すると、実景の写真に青木さんのキャラクターをのせたものもたくさんあるんです。ちょうど今回の美術監督の橋本さんは、光と影を巧みに使ったリアリティのある背景が得意なので、青木さんの作品のような方向性はアリだと考えました。また、キャラクターに影をつけると青木さんの絵と雰囲気が変わってしまうので、影をなしにして、キャラクターの輪郭などをハイライトで明るくすることにしました。マンガ的な中にリアリティが感じられる絵を意識しています。

—  映画をご覧になる方にメッセージをお願いします。
石川 大人も子供も、かわいいキャラクターたちが元気に動き回る様子を、爽快感とともに是非楽しんでいただければと思います。
伊藤 そこを目指した企画としてスタートした作品ですからね。映画を通じてラジオアクアマリンのメンバーと一緒の時間を楽しんでもらえればうれしいです。